2021年12月16日(木)~17日(金)に開催された量子生命科学先端フォーラム2021 冬の研究会において、電子情報・数理教育プログラム2年の木村晃介さん、金井元紀さん、丸山拡希さんの3名が優秀発表賞を受賞しました。受賞演題はそれぞれ「有機化合物イオンビームを用いたNVセンター形成技術」 、「微小生体分子観察のための近接場蛍光顕微鏡の開発」、「2方向観察沈降測定法を用いたマウス受精卵成長過程の質量測定」です。
木村さんは、QST高崎量子応用研究所のリサーチアシスタント(RA)として研究に従事しており、ダイヤモンドに有機化合物分子イオンの注入を行うことで、複数の窒素空孔複合欠陥を形成する技術を開発しています。木村さんが開発中の研究手法がさらに発展することで、今後、ダイヤモンド内部の窒素空孔複合欠陥を量子生命科学や量子情報科学分野において応用する上での重要な技術展開の可能性が期待されます。
金井さんは、電子情報部門の曾根逸人教授、張慧助教、小野雅之さん、寺内優友さんと連携して、微小生体物質表面の蛍光イメージング技術を研究しています。発表では、原子間力顕微鏡(AFM)をベースとした近接場光顕微鏡に蛍光検出機構を組み込んだ開発中の顕微鏡について報告しました。
丸山さんは、曾根教授、張助教、菊池直樹さん、東京大学坂田利弥准教授、齋藤暁子研究員らと連携して、体外受精卵のクオリティを評価するための微小質量測定技術を研究しています。発表では、培養液中で受精卵が沈む速度から質量を測定する装置を開発して、世界で初めてマウス受精卵の初期成長過程の質量が測定できたことを報告しました。
金井さん、丸山さんが開発中の技術と装置が、今後のバイオイメージング、不妊治療、量子生命科学分野への技術展開に寄与することが期待されます。
なお、これらの研究課題に関連し、本学では、群馬大学重点支援プロジェクトによる支援を受けた研究活動を実施中です。
【関連】
群馬大学重点支援プロジェクト「理工基盤と量子技術の共創的融合による固体量子センシングフロンティアの開拓