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大学院理工学府の伊藤准教授のグループが「SBIR建設技術研究開発助成制度」に採択されました。全国的な課題となっているダム堆砂を対象に、細粒分の効率的な浚渫技術と資源化技術の開発を進めるとともに、農業利用による高付加価値化を目指します。本研究は、群馬大学と初雁興業株式会社と群馬県農業技術センターとの共同研究で実施します。

【研究開発課題名】
流域の治水・利水機能の向上に資するダム堆砂細粒分の効率的浚渫と高付加価値化技術の開発
【代表者】
伊藤 司 (大学院理工学府 准教授)
採択課題報道発表
https://www.mlit.go.jp/report/press/kanbo08_hh_001348.html
1. 背景
計画を超える速さで進行するダム堆砂の堆積は、治水容量および利水容量を減少させ、全国のダムで喫緊の課題です。本研究では、その対策として効率的浚渫技術および資源化技術を開発するとともに、浚渫土の高付加価値化を目的とします。現在利用価値のない細粒分のみを効率的に回収し、未利用バイオマスと混合して機能性土壌改良材を開発します。さらに、広域還元のためのインセンティブとなる土壌環境改善効果を明らかにし、浚渫土の有効利用先を開拓し、資源循環を実現する技術を開発します。
2. これまでの研究成果
研究グループはこれまでに下久保ダムの堆砂を利用した栽培試験を実施し、トマトにおいて植物の抗酸化応答が向上し、青枯病の発病が抑制されることを明らかにしました。ダム堆砂の農業利用は研究例が少なく、病害への効果を評価した研究はこれまで報告がありません。本研究は堆砂が植物の抗酸化応答を高め、 その結果として難防除病害である青枯病の発病を抑える可能性を示した初めての報告であり、ダム堆砂の高付加価値化および資源循環技術として今回の研究開発へと発展したものです。
【掲載論文】
Ito, T. et al. (2026) Dam sediment as a soil amendment enhances plant antioxidant responses and suppresses bacterial wilt, Environmental Technology, pp. 1–9. doi: 10.1080/09593330.2026.2665435.
3. 今回採択された研究で取り組むこと
1) 水環境・生態系・ダム運用に影響を与えない浚渫技術:ダム湖面に装置一式を数日で設置でき、ダム堤体近くの水深60-80 mのシルト粘土主体の堆砂を濁水を発生させずに連続運転可能な浚渫システムを目標とします。
2) シルト粘土が主体のダム堆砂の高付加価値化技術:ダム堆砂の中のシルト粘土を農地等で広域的に受入れ可能な「機能性土壌改良材」として高付加価値化します。運搬や施工(散布)性を向上させる土質改良を行うこと、また、受入側のインセンティブとなる土壌環境改善効果や微生物作用を評価し、ダム堆砂浚渫土の持続可能な循環利用モデルの確立を目標とします。
関連リンク
東京新聞掲載記事:https://www.tokyo-np.co.jp/article/499893本件に関するお問合せ先
群馬大学 大学院理工学府 准教授 伊藤司
TEL:0277-30-1632
E-MAIL:t.ito@gunma-u.ac.jp
桐生地区事務部 事務課 庶務係 広報担当
TEL:0277-30-1011
E-MAIL:rikou-pr@ml.gunma-u.ac.jp