群馬大学理工学部

株式会社ジーダットとAI技術によるカスタムLSI設計環境の構築を目指し、共同研究契約を締結しました。(電子情報部門 高井伸和准教授)

 群馬大学は、株式会社ジーダット(本社:東京都中央区、社長:松尾和利)と共同研究契約を締結しました。ジーダットの半導体設計技術と群馬大学のAI技術との共同研究により、設計スキルを組み込んだ、高効率なカスタムLSI設計環境の構築を目指します。
 
 電子情報部門 高井伸和准教授の研究室では、世界で初めて深層学習と強化学習を回路設計に応用した研究成果があります。またジーダットは、世界で初めて実用的なセルベース単位(AnaCell)のアナログ回路設計手法を実現しています。このセルベース手法に、設計ノウハウを学習させたAIを適用することで、ブロックレベルのアナログ回路設計を自動化することが可能となります。
 
 半導体におけるアナログ設計は、微小な入力信号を高精度に処理することが求められ、デジタル設計のようには、自動化が進んでいません。設計では素子単位にパラメータを調整し、そのたびに数時間から数週間におよぶ高精度シミュレーションを実行し、確認しながら、半年から1年以上をかけて設計されています。
 Society5.0におけるIoTやセンサ、車載、AI用のエッジなどの中核となるミックスドシグナルLSI設計では、このアナログ部の設計期間や工数が、製品の開発期間や、製品のコストに大きく影響します。
 
 高井伸和准教授の研究室では、ニューラルネットワークのregression analysis model を適用し、オペアンプ回路の仕様(消費電力、直流利得、スルーレートなど13項目)から、個々のトランジスタのパラメータを高速に推定する手法を実現しました。
さらに、強化学習手法のQ-Learningにより、既存の回路特性を数倍向上させることにも成功しました。
 これらの手法をジーダットのセルベースの設計手法と回路設計ノウハウを組み入れることで、さらに探索範囲を大幅に削減することが可能となり、従来の最適化手法では困難であった、実設計に適用できるアナログ回路の自働化が可能となります。
 
 AI技術をアナログ設計に適用し、設計スキルを組み込んで高品質な自働化が実現することで、ミックスドシグナルLSIの設計期間、コストが削減され、ボトルネックが解消されることで、Society5.0の早期の実現に向けて貢献できると確信しています。