2025年9月4日から5日に幕張メッセで開催された、英国王立化学会及び日本分析機器工業会主催 RSC-JAIMA Symposium on Analytical Chemistry 2025 にて、物質・生命理工学領域博士課程2年の引地真彩さんがAnalyst Poster Prize(最優秀ポスター賞)を、物質・生命理工学教育プログラム修士課程2年の中山拓哉さんが Best Poster Award(優秀ポスター賞)を受賞しました。
引地さんの受賞演題は『Supercooling preservation of liver-derived cell lines cultured on Organs-on-a-Chip』です。本研究は、実験動物の代わりとなるマイクロ肝臓モデルを構築し、薬剤試験などの実験に用いるまでの間、過冷却状態で保存するための方法の開発を目指したものです。ヒト肝細胞株および肝類洞内皮細胞株をマイクロデバイス内で培養した状態のまま−4℃で過冷却保存するための条件について検討し、1週間の保存を実現した研究成果を発表しました。本研究は、指導教員である佐藤記一教授およびサンデン・リテールシステムと共同で行われたもので、本研究の成果は将来的に培養細胞を用いた研究の効率化や、細胞提供機関からの細胞供給に役立つことが期待されます。
中山さんの受賞演題は『Construction of a capillary network using a liver sinusoidal endothelial cell line for drug metabolism assays』です。本研究では、実験動物の代わりとなるマイクロ肝臓モデルを構築する際に、肝細胞に栄養等を供給するための毛細血管網を組み込むことを目指し、肝類洞内皮細胞による三次元的な毛細血管網の構築について検討しました。本研究は指導教員である佐藤記一教授と共同で行われたもので、将来的に薬物動態の解析において薬の代謝過程を調べたり、薬の肝毒性を試験したりするための解析ツールとして応用されることが期待されます。
関連リンク
【学会webサイト】https://www.jaima.or.jp/ic/rsc-jaima/index.html