「キャリア計画」は理工学部1年生の必修科目です。一見すると就職支援科目のように見えますが、初回講義に出席すればそれが全くの誤りであることがすぐにわかります。いまや専門知識を授けるだけが大学の役割ではありません。世に出て「働く人」となるために必要な「真に学ぶ力」を授けることが大学に求められています。これを「就業力」と呼び、入学したばかりの1年生をさっそく鍛えます。カリキュラムを理解し自らの未来を描く力、相互理解のコミュニケーション能力、安全工学の理解、食と健康、そして様々な社会制度の理解へと授業は進んでいきます。文部科学省の支援をうけて10年以上前に立ち上げられた科目であり、その意欲的な精神はいまも受け継がれています。
「働く人」は様々な社会制度を理解しなければなりません。税金についてもしかり。本科目では毎年前橋税務署のみなさまをお迎えし、「租税教室」を行ってきました。10年に及ぶこの取組みにより延べ5,000名以上の学生が税について学んできました。この長年の取組みが評価され、このたび感謝状の贈呈となりました。2022年11月28日(月)、荒牧キャンパス管理棟特別会議室にて贈呈式が行われました。終始和やかな雰囲気の中、前橋税務署長・鈴木政文様より、就業力育成検討委員会・荒木幹也委員長に感謝状が贈呈されました。鈴木署長より租税制度の啓発に大きな役割を果たしてこられたことに謝意を表するとあいさつがあり、荒木委員長からは今後も継続をお願いしたいとのあいさつがなされました。そののち鈴木署長と授業担当教員との間で租税教育に関する意見交換が行われ、大変貴重な機会となりました。
手探りだった黎明期から今日に至るまで、じつに多くのみなさまの努力と情熱により就業力育成事業は支えられ、育てられてきました。今回の感謝状は関係するすべてのみなさまのお力によるものであり、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
(左から:前橋税務署長、荒木教授、大澤名誉教授、小澤教授)