理工学教育センター紹介
群馬大学理工学教育センター長 丸山 真一
群馬大学大学院理工学府・理工学部では、令和6年度に「理工学教育センター」を設置し、本紀要を発行するこの3月で発足から2年を迎えました。本稿では、当センターの設置経緯、目的、および組織体制についてご紹介いたします。
1.理工学教育センター設置の経緯
令和3年度、2類(物質・環境類および電子・機械類)8プログラムからなる「類制度」が整備され、以下の柱を掲げた新教育カリキュラムが導入されました。
- 幅広い学びを通じて、応用に強い人材を育成する。
- 地元企業と連携したPBL(Project
Based Learning)教育により、応用力と実践力を養う。 - 学生一人ひとりにメンター教員を配置し、きめ細かなサポートを行う。
- 2年次の「課題発見セミナー(企業実習)」、4年次の「課題解決セミナー(グループワーク)」を通じ、課題抽出・解決能力を段階的に養う。
これら共通科目の企画運営や、新カリキュラムの遂行・充実を牽引すべく、令和6年4月に当センターが設置されました。同年11月には、教育実施体制および教育方法の企画立案を担当する専任教員2名が配置され、体制が本格化しました。
2.理工学教育センターの目的と業務
当センターは、理工学府・理工学部における教育の充実と推進を目的とし、主に以下の業務を担います。
- 教育実施体制および教育方法等の企画立案(地域連携教育や社会ニーズを踏まえたプログラム等)
- 学位審査体制の構築、および複数指導教員制の実質化に関する検証
- 教育力向上のための各種講演会、FD(Faculty Development)活動等の企画・運営
- 先駆的な教育実践活動に関する情報収集・分析
- 教育技法や学生評価に関する教職員への指導・助言
- 教育実践活動に関するデータ分析・取りまとめ(教育IR機能)
3.理工学教育センターの体制
当センターは、以下の構成員および運営委員会によって組織されています。
【構成員】
- センター長(副学府長(教育担当)) 1名
- 副センター長(専任教員:教授または准教授) 2名
- センター員(事務補佐員) 若干名
【運営委員会】 センター運営に係る重要事項を審議するため、各委員会(学部・学府教務、国際交流、学生支援、入学試験)の委員長や事務部長等で構成される運営委員会を設置しています。学部内外の組織との関係は図1の通りであり、学府長・学部長の指示に基づき、センターが具体的な提案を行い、各委員会と連携して教育改善を推進する構造となっています。
【小委員会の設置】 さらに、センターの重要ミッションを遂行するため、以下の2つの小委員会を設置し、具体的な議論を行っています。
- カリキュラム検討小委員会
- 構成: センター構成員に加え、各プログラムおよび基盤部門のカリキュラム担当教員が参画。
- 役割: 類やプログラム内のカリキュラム検討組織との連携のもと、組織間での協力体制の構築、類を跨ぐ講義の設置、情報共有、および学部全体での教育改善に向けた検討を行う。
- PBL教育検討小委員会
- 構成: 学部長、センター構成員、正副学部教務委員長、類選出教員(2名)、就業力関係教員(2名)で構成。
- 役割: 従来学部に設置されていた検討部会をセンターに移管。PBL教育の検証・改善・推進のほか、就業力やインターンシップといった関連科目との連携について議論を行う。
4.令和7年度のセンター活動概況
令和6年度に園山前センター長のご尽力により組織基盤が整備され、令和7年度からは実働フェーズへと移行しました。
具体的には、前期開講の「課題発見セミナー(2年次)」および「課題解決セミナー(4年次)」の実施を当センターが主導しました。全学生約480名を対象としたグループ分け等の作業を効率的に実施するとともに、専任教員によるアンケート分析を従来より充実させることで、より詳細なフィードバックと改善案の策定が可能となりました。
また、類を跨いだ科目の設置や他類科目の卒業要件への追加など、組織横断的な教育体制の整備に着手しています。カリキュラム検討小委員会は、各類やプログラム、基盤部門での問題意識を互いに把握できる場として貴重であり、そこにデータ分析の結果を融合させることで、学部全体での長期的な教育の質の向上に寄与することが期待されます。
このほか、理工学部関係教職員向けメールニュースレターの発行、ウェブサイトの開設、そして本紀要の創刊など、活動成果を学内外へ発信する取り組みも本格化させています。
5.おわりに
理工学教育センターはまだ歩み始めたばかりの組織です。今後も皆様からのご意見を真摯に受け止め、理工学府・理工学部の教育改善に最大限貢献してまいる所存です。引き続き、お力添えを賜りますようお願い申し上げます。
