教員からのメッセージ

新しいエネルギー材料を創る

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リチウムイオン電池の動作原理

研究の背景

 リチウムイオン電池は、小型・軽量、高電圧かつ充電可能な電池(高エネルギー密度二次電池)であり、携帯電話等のモバイル機器のみならず電気自動車や電力貯蔵装置等、適用用途が急速に拡大しています。電池の高性能化の要求に応えるためには新しい電池材料を創造する必要があります。

研究内容

 電池用新機能材料を研究しています。この研究では、材料の構造設計、合成、電池性能、反応機構の解明を行う必要があります。対象としている電池材料は、負極、正極および電解液、電極表面処理剤等、様々です。負極では従来の炭素に代わるシリコン、チタン、鉄の酸化物、正極では多成分系、高電圧系、電解液では有機溶媒系材料と固体電解質の研究を行っています。この研究分野は世界的に研究者が多く、日々研究開発が進捗しています。

大学時代に得たこと

 いろいろな考え方、特技、知識等をもったたくさんの人に出会えたことが大学時代の財産だと考えています。

教授

鳶島 真一

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Message

学問の本来の楽しさと教科書から一歩踏み出す研究の醍醐味を大学で経験して欲しい。また、大学にいる間に自分が人生でやりたいことを明確にして欲しい。

1分子レベルの反応観察・制御を目指して

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1分子DNAの1本鎖部分(赤)と
2本鎖部分(緑)の染め分け

なぜ1分子で観察するのか

 最近の分子生物学、ゲノム工学の発展により、個々の遺伝子、タンパク質が個体の形成、多様性にどのような役割を果たしているのかが明らかになりつつあります。しかし、従来の分子生物学では、観察や実験に数百万個以上の分子が必要であるために、得られている情報はこれらの多くの分子の平均的な挙動がであって、個々の分子の本当の挙動、そして反応の素過程がどのようなものであるかは必ずしも明らかになっていません。1分子レベルの解析技術では一つ一つの分子の応答が解析できるために、通常の解析では隠されてしまっている多くの情報を得ることができます。

1分子で観測するために

 高感度観察技術、微細流路の加工技術、静電気力による分子の操作技術を使って、様々な生化学反応をマイクロ化し、効率的に分析する技術の開発を進めています。これらの技術をDNAの1分子解析に適用することにより、1分子レベルでDNA分子の形や位置を操作する技術の開発を行い、また、1分子観察により、これまでに明らかになっていないDNAをめぐる反応を明らかにすることを目指して研究を進めています。

教授

桂 進司

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Message

人間には色々なことを学べる可能性があります。専門が違うことを理由にして自分の可能性を狭めたりせずに、新しいテーマや新たな知識を得ることにチャレンジしていきましょう。将来、必ず役に立ちます。

環境調和型社会のための水環境技術

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底質浄化のサイト
(装置は水に沈んでいて見えませんが…)

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土砂災害の現場調査

水環境新技術への挑戦

 生命の維持のみならず私たちの社会経済活動は大量の安全・安心な水に支えられ、その源となる水環境の保全は不可欠となっています。しかし、真に環境と調和した社会を実現するには、そのためにエネルギーや資源の無制限な使用が許容されるわけではありません。私の研究室では、新奇な環境微生物の機能や化学的・物理的作用を融合して、低炭素社会や資源循環社会の実現にも貢献する革新的な水環境新技術に挑戦しています。

汚染物質がエネルギーへ変貌?!

 自然界に多数潜在している生態や機能が未解明な微生物のうち、最近、代謝過程で生じる電子を細胞外へ放出(細胞外電子伝達)可能な微生物群が土壌等に普遍的に存在することがわかりました。これを巧妙に利用すると汚れた水に含まれる有機性汚濁成分の除去と同時に電気が直接発生し、これまで除去の対象でしかなかった汚濁物質がエネルギー資源へと変貌する可能性が得られました。当研究室では、仕組みの工夫や微生物機能の複合化を進めて、湖沼などに富栄養化をもたらす原因物質の除去も可能なことを実証しました。また、この仕組みを応用して、内湾や湖沼で深刻となっている廃質環境を浄化・改善する試みを外部機関とも連携しながら取り組んでいます。

教授

渡邉 智秀

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Message

「楽しいかどうか」も大切ですが、「楽しみを見出す」姿勢や心持ちで何にでも取り組んでみてはいかがでしょうか。それまでには気づけなかった壮大な世界や将来へ繋がっていくと思います。

河川と海岸の土砂動態の解明による防災と環境保全

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山国川と中津干潟の土砂動態

河川と海岸の包括的な土砂動態の解明による
広域的海岸侵食対策

 河川の土砂供給量は、河床上昇や低下、水衝部の予測等において重要ですが、精確な値を算定する手法は確立されていません。またそれは、海岸侵食対策のための沿岸域の土砂動態予測の際の境界条 件としても非常に重要です。山から出てきた土砂がダムでせき止められ、港湾でせき止められて海岸侵食が起きます。砂浜は波浪エネルギーの吸収帯としての役割が大きく、それを失うと高波浪が直接護岸に打ち寄せ、越波して後背地に災害をもたらします。また、津波予測や対策、湖沼や内湾の流動と水質環境への影響に関する研究 にも従事しています。

大学で学んだこと

 いろいろなことを「本気」でやってみることでしょうか。勉強や研究のみならず、いろいろな趣味でも「本気」で取り組むと、ちょっと深いところが見えてきて「継続」するようになる。そうするとその深いところは意外といろいろなことに共通していることが多いということが、後になってわかるように思います。

准教授

鵜崎 賢一

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Message

発展する社会の中で、災害も環境問題も複雑化・巨大化し、過去の事例だけでは解決できなくなった時に、過去の知見を踏まえたうえでの皆さんの発想が未来の社会を守ります。失敗を重ねても、根気よく研究に取り組んでみましょう。努力して得たものは簡単には色褪せません。

自然の力で環境を浄化する

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バーク肥料でイネを育てている様子

人体にとって有害なカドミウム

 自然にあるものを使って、環境中にある有害物質を除去する研究をしています。
 例えば、カドミウムは、過剰に摂取すると腎臓に障害が生じ、ひどい場合は骨がもろくなるなど、人体にとって有害な元素です。カドミウム濃度が高い米を摂取し続けたために起こったのがイタイイタイ病で、現在日本では、米のカドミウム濃度は0.4ppm以下に規制されています。火山国日本では、自然由来でカドミウム濃度が高い土壌が多くあるため、米のカドミウム濃度が高くなる傾向にあります。これまで、カドミウム濃度が低い米を作るための様々な方法が検討されてきましたが、費用や安全性の面で問題があり、実用化には至っていません。

杉の樹皮「バーク」

 そこで、私の研究室では、杉の樹皮「バーク」に着目して、イネへのカドミウムの取込を抑制する肥料を開発しました。バークは現在廃棄物として処分されていますが、もともと自然にあるものなので、費用と安全面で大変優れています。この肥料を用いてイネを育てた実験では、玄米のカドミウム濃度を10 分の1にすることに成功しました。現在、海外展開も視野に研究しています。広く実用化される方法になるかもしれません。

教授

板橋 英之

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Message

 人生の教訓を3つ。
「真剣にやれば何でも楽しい」「人生の価値は積分値で決まる」「“楽”より“楽しい”」。
 失敗を恐れずいろいろなことに思いっきり挑戦してください。

ナノ材料を自在に操り、持続可能な社会の実現に貢献

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独自のナノ粒子技術を駆使した燃料電池

エネルギー・環境問題の解決に貢献するナノ粒子技術

 エネルギーや環境問題の解決に貢献する燃料電池、二次電池、触媒などは、その多くが“粒子”の集合体です。この粒子のサイズや形、さらには、構成する原子の組み合わせや配列が性能に大きく影響を及ぼします。つまり、粒子の構造を自在に制御できれば、より性能の良い電池や触媒が実現できることになります。

ナノの世界を自在にあやつる

 ナノ粒子という言葉は聞いたことがあっても、その大きさはピンとこないかもしれません。1ナノメートルは、1㎜の100万の1の大きさ、つまり、皆さんがお持ちの定規 の最小目盛を100万等分した1目盛の大きさです。こんなに小さな粒子を自在に操って、燃料電池や触媒の性能を向上させる研究を行っています。例えば、異なる性質を持つナノ粒子を精密に交互に配列させることによって、世界トップクラスの発電性能をもつ固体酸化物形燃料電池の開発に成功しています。その他、メタンから高効率に水素を製造したり、自動車の排ガスを極めてクリーンにしたりできる触媒の研究開発を企業と共同で実施しています。

准教授

佐藤 和好

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Message

 若いうちは様々なことにチャレンジできます。また、失敗は、皆さんが社会で活躍するための経験値です。失敗を恐れず、粘り強く、何事にも興味を持って取り組んでください。

上を向いて下を向いて歩こう。社会の基盤のそのまた基盤が見える。

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河川底質から環境汚染を調査します。

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実験室では様々な環境微生物を培養します。

空気と土を介して雑草に繋がる壮大な自然

 外を歩くと街はどこもコンクリートで埋め尽くされていますが、至る所でその隙間から生え出た雑草を見つけることができます。コンクリートと雑草の関係は人間社会と自然との関係を表しています。雑草は必ず生えてきます。消滅させることはできません。自然とは災害も含めてそういうものです。雑草が生えるのは、空に太陽があり、大気があり、空気中にはCO2やO2やH2Oがあり、コンクリートの下には土があり、土の中には無数の微生物が存在しているからです。空気と土を介して雑草に繋がる壮大な自然が あるのです。

生命の基盤的存在の微生物

 人間の叡智を結集させた現在の社会ですが、社会も自然の一部であることの理解と自然そのものの理解を通じて賢く生きていこうとしなければ一人ひとりにとって幸せな未来はない。これが私の研究のベースです。(皆さんならこの状況でどのような立場でどのような行動をとるでしょう?)ですから私はこの壮大な自然の中で生命の基盤的存在である微生物に着目して研究をしています。微生物の生態を探究して得られる知見に基づいた技術の開発です。たとえば水の浄化、有用微生物の活性化、水質の安定性や安全性のための微生物の制御、水環境の保全などです。

准教授

伊藤 司

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Message

 次の3つの箱があるとします。世の中で「 わかっていること」が入っている箱、「わかっていないこと」の箱、「わかっていないかどうかもわかっていないこと」の箱。三者択一ではありません。大学では全部を選べるのです。

環境にやさしい方法で、材料のインターフェイスをコントロールする

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プラスチック成形機

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CAPPLATのヘッド

わたしたちは「環境にやさしい方法で、材料のインターフェイスをコントロールする」をモットーにしています。プラスチック・カーボン・セラミック・金属など、様々な素材を操る技術を開発し、ナノ粒子をはじめとする新しい物質を種々創り出し、これを並べ、組み合わせ、役に立つ機能材料をプロデュースしています。
最近は特に、大気圧低温プラズマ発生装置の開発とこれを用いた様々な応用研究に力を入れています。プラズマとは、電気の流れる状態になった気体のことで、多様な反応を起こす力を秘めています。私たちが独自に開発したプラズマ発生装置は、CAPPLAT(下図)といい、大気圧下で40℃以下の低温プラズマジェットを発生することができます。処理対象物の形状や大きさに制限を受けずに、材料表面の性質を変えたり、殺菌・滅菌を行ったり、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの薄膜をコーティングすることができます。
このクリーンで低コストの技術に関しては特許を取得して、ベンチャー企業も立ち上げました。これからは、自動車産業、電気電子産業、食品産業、医療産業など、はば広い分野での活用が期待されています。

教授

黒田 真一

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Message

ものづくりには、柔らかな発想と、それを実現させる確かな知識・技術が重要です。そして何よりも、新しい領域に挑戦する熱意が不可欠です。意欲にあふれる皆さんと研究できることを楽しみにしています。

土の性質、地盤のふるまいを知る

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土砂災害で崩落した阿蘇大橋

 地球の奥深くから湧き上がり、吹き出し、飛び散り、洗い流され、降り積もり、押しつぶされ、長期間をかけて形成される私たちの足元の「地盤」とその構成材料としての「土」― その内部にはとても不思議な世界が広がっている。岩のかけらに由来する土粒子、その隙間を埋める水分や空気。こうした固体・液体・気体の三相が互いに力をやり取りしながら、集合体としての土の巨視的な性質を決定づけている。
 幼少期の粘土遊びを思い出す“細かな粒子主体の粘性土”では、粒子間のわずかな隙間の水分移動が粒子の静電気力で阻害され、総じて水はけの悪い軟弱な土となる。一方、サラサラの手触り感を持つ“粗い粒子主体の砂質土”では、粒子同士のかみ合いや摩擦によって硬い土骨格が発揮されるが、ひとたび地震などでそのかみ合いが外れると、土粒子間の水分が押しつぶされて水圧上昇をもたらし、液状化現象を誘発することがある。
 社会を支える構造物は地盤の上や中に建設される。また、国土の大部分が山地である我が国では都市の背後に急傾斜の地盤が迫っている箇所も多い。安全・安心な街づくり、有効な防災対策のためには、土の性質と地盤のふるまいを知るための研究が欠かせない。

教授

若井 明彦

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Message

かけがえのない私たちの生命と財産を守るためには、社会貢献意識の高い専門エンジニアが必要です。災害の多いわが国を守るため、ぜひ、防災のスペシャリストになってください。