ご挨拶

群馬大学理工学部長 ご挨拶

 平成27年は、群馬大学理工学部にとって大正4年に官立(国立)桐生高等染織学校として開学以来の、100年目を迎える節目の年となります。この間に我が校を巣立って行った卒業生・修了生の数は約4万人以上に上ります。これらの方々はあるいは産業界で、また一方ではアカデミックな場で、我が国の産業並びに学術の発展と興隆に多大の貢献をしてきました。
 今ここに創立100周年と言う記念すべき年を迎えるに当たり、卒業生の組織である群馬大学工業会及び現役の理工学部教職員は、「群馬大学工学部創立100周年記念事業実行委員会」を組織して、100周年を祝う様々な記念事業を企画しております。
 ご承知の様に群馬大学理工学部は桐生市、そして近年では太田市と言う、我が国においても長い歴史と際立った特徴を持つ二つの都市に本拠を置き、これらの都市の皆様に支えられながら、共に発展してきました。今後ともその基調は変わる事無く続いて行くと考えています。そこで記念事業の第一としては、先ずこの二つの都市の市民の皆様により深く理工学部の活動を知っていただく為に、現役教員によるリレー講演会を企画しました。ここでは理工学部において日夜実施されている様々な研究活動について、分かり易く市民の皆様にお話をして参ります。さらに、我が国の理工学分野で世界からも注目されるユニークな活動を展開されている先生方を御招きした講演会も企画しております。また、地域の小・中学校の生徒さん方に、科学の楽しさや面白さを、実験を通じて体感してもらう為の企画も準備しております。これに加えて、国内外で高い評価を受けておられるトップクラスの演奏家の方達を御招きした、無料の記念クラシックコンサートも予定しております。
 学内の施設・環境整備事業では当初から正門の整備を考えておりましたが、こちらは長年桐生ガス株式会社会長を務められ、群馬大学工業会の顧問でもあった故塚越平人様のご寄付により、平成26年12月に新たな正門が完成しました。4本の門柱の頂部にガス灯風のランプを備え、かつて桐生市民に親しまれた旧制学校の正門を想わせるクラシックな雰囲気と共に、新時代に相応しい力強さを持った、正に理工学部の顔としての堂々たる正門であります。一方で、かつて旧制学校の講堂として使われ、最近では数々のテレビや映画のロケ地としても有名になった群馬大学工学部同窓記念会館については、今後とも末永く保存と様々なイベントにおける有効活用が行える様に、自治体とも連携して耐震化を含めた修復・整備計画を国に申請する準備を進めております。また、理工学部のこれまでの100年の歩みを長く記録する為のデジタルアーカイブの整備や、100周年記念誌の刊行も進めております。
 今回の記念事業の3つ目の大きな柱は、100周年記念募金事業です。昨今国立大学におけるグローバル化が強く叫ばれておりますが、理工学部においても年間約150名の留学生が在籍し、さらに外国人教員も4名が在籍しています。一方で、今後は日本人在学生や伸び盛りの若手の教員に対して、これまで以上に、広く海外の大学・研究機関で研修を積む機会を増やして行きたいと考えております。今回の募金ではこのような活動を支援し、次の100年へと結びつく理工学部における教育・研究の更なる活性化の基盤とする為の基金の創設を目指しております。
 最後に、我々は100周年を迎えるに当たって企画したこのような事業を、単なる記念イベントとして終わらせる事無く、理工学部の新たな発展に向けた起爆剤として行きたいと考えております。我々は、来るべき新たな100年を、これまで以上に実り有る輝かしい100年として行く為に努力して参ります。そこで立ちはだかるであろう様々な困難を乗り越えて行く為にも、是非今後とも皆様方の変わらぬご支援、ご協力を宜しく御願い致します。
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