エネルギー資源の有効活用を目指して

燃料供給装置出口の燃料の動き

燃料噴霧の時系列速度場

 ガソリンや軽油といった化石燃料を燃やして動力へ変換する方法としてエンジンがあります.動力を得るために化石燃料を使い続ければいつかはなくなります.したがって,限りある化石燃料のエネルギーを効率的に動力へ変換するためには,エンジン内で液体燃料をよく燃やすことが重要となります. そのような背景から,2014年度から内閣府主導のSIP「革新的燃焼技術」研究プロジェクトが国,産業界,大学といった国内研究機関が協力し,オールジャパンで自動車用エンジンの熱効率を50%まで向上させる目標を定めて研究が進められています.自動車用エンジンで液体燃料を効率的に燃やすためには,燃料を細かい液滴にして蒸発を促進させ,燃料と空気をよく混ぜることが重要です.その混ざりかたを理解するためには燃料液滴の動きを知る必要があります.しかし,燃焼室内の非常に限られた空間を飛翔する燃料液滴の動きは1秒間に数100メートルの速度で移動し,その様子を知ることは容易ではありません.図1はその研究プロジェクトで得られた成果の一部ですが,1秒間に最大1000万コマで撮影できる高速度カメラを用いて自動車用ガソリンエンジンで使用されている燃料供給装置から噴射された燃料の挙動を観察した結果です.また,撮影した画像に特殊な画像処理を行うことで燃料噴霧の速度場情報を得ることができます(図2).これらの結果をもとに次世代高効率自動車用エンジンの創出を目指した研究を進めています.


  • 内閣府SIP(戦略的イノベーション創造プログラム)2014年度~2018年度「革新的燃焼技術」
  • Y. Zama, Y. Odawara, T. Furuhata, Experimental Study on Velocity Distribution of Postimpingement Diesel Spray on a Wall. PART 2: Effect of Ambient Gas Density and Injection Pressure on Flow Pattern, Atomization and Sprays, 26, 9, 921-938 (2016).
  • T. Shibata, Y. Zama, H. Kusano, T. Furuhata, Ultra-high Speed PIV Measurement for Gasoline Spray Ejected from a Multiple Hole Direct Injection Injector, 18th International Symposium on the Application of Laser and Imaging Techniques to Fluid Mechanics, Lisbon, Portugal, July (2016).

機械知能システム理工学科

助教 座間 淑夫
研究室URL : http://www.mst.st.gunma-u.ac.jp/ene3/