次世代の翼~音速を超えて~

超音速ジェットを発生し、騒音を計測する

「1903年、ライト兄弟による世界初の動力飛行」
 わずか100年前の出来事です。いまや、時速1000キロの空の旅は身近なものとなりました。エベレストより高い空を、秒速250メートルで突き進む。外の気温はマイナス50度、気圧は地上の1/3。外に放り出されれば、瞬く間に命を失う極限の世界です。それでも人々は、映画を楽しみながら快適に目的地に到着します。
 現在世界では、これをはるかに超える速度で飛行する航空機の開発が進められています。日本でも、宇宙航空研究開発機構(JAXA)において、マッハ5で巡行するジェットエンジンの開発が行われています。飛行速度は従来の航空機の5倍。機体が受ける風圧は25倍(2乗に比例)となり、エンジンから放出されるジェット騒音のエネルギーは数十万倍(8乗に比例)となります。これまでの常識が通用しない、まさに極限の世界です。
 私は、学生時代から航空機エンジン研究に取り組んできました。現在は、次世代の超音速エンジンから放出されるジェット騒音を低減するため、JAXAと協働しながら、音波放出メカニズムの解明ならびに低騒音ノズル開発を行っています。


  • Mikiya ARAKI, Masayuki FUKUDA, Takayuki KOJIMA, Hideyuki TAGUCHI, Seiichi SHIGA, “Feasibility of Aerodynamic-Tab Jet Noise Suppressors in a Hypersonic Nozzle at Takeoff”, AIAA Journal, March, 2012, Vol. 50, No. 3, pp.751-755.
  • Mikiya Araki, Yasuhiro Ijuin, Shunsuke Nishida, Osamu Imamura, Takayuki Kojima, Hideyuki Taguchi, “Acoustic Simulation of Hot-Jets Issuing from a Rectangular Hypersonic Nozzle”, Journal of Propulsion and Power, 2014, Vol. 30, No. 3, pp. 820-833.
  • Mikiya Araki, Kohei Morita, Yasuhiro Takahashi, Takayuki Kojima, Hideyuki Taguchi, and Seiichi Shiga, “Experimental Investigation of Jet Noise Sources in a Hypersonic Nozzle at Takeoff”, AIAA Journal, 2015, Vol. 53, No. 3, pp. 789-794.

機械知能システム理工学科

准教授 荒木 幹也