乳癌の早期発見を目指して

乳癌の硬さを映像化する装置

乳癌の画像例
(矢印に約4mmの乳癌)

 乳癌は成人女性に対して罹患数が最も多い癌で年々その数は増加しています。乳癌をできるだけ早く見つけることは何より重要ですが、今までのマンモグラフィではX線被爆の問題や特に若年の方の乳癌を見つけにくいという課題があります。本研究は、癌組織が硬いことに着目して、乳腺の表面から機械的な振動波を加え、乳腺内を伝わっていく振動波の様子を超音波で可視化することで組織の硬さを映像化しようとする世界初の方法です。この方法は、従来のエコー装置が映像化に使えるために、安価でかつ安全性の高い乳癌の新映像システムを構築することができます。この方法により今まで大病院でしか受けられなかったような乳癌の精密検診が自宅近くの小さな病院でも受けられるようになれば、乳癌の発見率の向上に繋がると期待しています。
 現在、群馬大学医学部の協力を得て評価実験を行っていますが、従来法に比べて乳癌が明瞭に画像化できるなどの成果が得られています。乳癌の画像が得られるごとに、生体組織中を伝播する振動波の様子から、今まで得られないような貴重な診断情報が得られるのではと期待しています。群馬大学で生まれた世界初の可視化法を使い医学部との連携の下で更に研究を重ねることで、乳癌の新たな診断法を実現することを目指しています。


  • Yamakoshi Y, Nakajima T, Kasahara T, Yamazaki M, Koda R, Sunaguchi N.,IEEE Trans UFFC. DOI:10.1109/TUFFC.2016.2626359 (2016).
  • 国際特許:PCT/JP2015/059207.
  • 科学研究費:基盤研究(B) 平成28-30年「せん断波伝播の実時間可視化と生体組織特性化への展開」

電子情報理工学科

教授 山越 芳樹
研究室URL : http://yamakoshi.ei.st.gunma-u.ac.jp/wp/