土の性質、地盤のふるまいを知る

土砂災害で崩落した阿蘇大橋

 地球の奥深くから湧き上がり、吹き出し、飛び散り、洗い流され、降り積もり、押しつぶされ、長期間をかけて形成される私たちの足元の「地盤」とその構成材料としての「土」― その内部にはとても不思議な世界が広がっている。岩のかけらに由来する土粒子、その隙間を埋める水分や空気。こうした固体・液体・気体の三相が互いに力をやり取りしながら、集合体としての土の巨視的な性質を決定づけている。
 幼少期の粘土遊びを思い出す“細かな粒子主体の粘性土”では、粒子間のわずかな隙間の水分移動が粒子の静電気力で阻害され、総じて水はけの悪い軟弱な土となる。一方、サラサラの手触り感を持つ“粗い粒子主体の砂質土”では、粒子同士のかみ合いや摩擦によって硬い土骨格が発揮されるが、ひとたび地震などでそのかみ合いが外れると、土粒子間の水分が押しつぶされて水圧上昇をもたらし、液状化現象を誘発することがある。
 社会を支える構造物は地盤の上や中に建設される。また、国土の大部分が山地である我が国では都市の背後に急傾斜の地盤が迫っている箇所も多い。安全・安心な街づくり、有効な防災対策のためには、土の性質と地盤のふるまいを知るための研究が欠かせない。