自然の力で環境を浄化する

バーク肥料でイネを育てている様子

人体にとって有害なカドミウム

 自然にあるものを使って、環境中にある有害物質を除去する研究をしています。
 例えば、カドミウムは、過剰に摂取すると腎臓に障害が生じ、ひどい場合は骨がもろくなるなど、人体にとって有害な元素です。カドミウム濃度が高い米を摂取し続けたために起こったのがイタイイタイ病で、現在日本では、米のカドミウム濃度は0.4ppm以下に規制されています。火山国日本では、自然由来でカドミウム濃度が高い土壌が多くあるため、米のカドミウム濃度が高くなる傾向にあります。これまで、カドミウム濃度が低い米を作るための様々な方法が検討されてきましたが、費用や安全性の面で問題があり、実用化には至っていません。

杉の樹皮「バーク」

 そこで、私の研究室では、杉の樹皮「バーク」に着目して、イネへのカドミウムの取込を抑制する肥料を開発しました。バークは現在廃棄物として処分されていますが、もともと自然にあるものなので、費用と安全面で大変優れています。この肥料を用いてイネを育てた実験では、玄米のカドミウム濃度を10 分の1にすることに成功しました。現在、海外展開も視野に研究しています。広く実用化される方法になるかもしれません。