未利用資源を活用した高分子の合成

硫黄を用いて合成された高分子

 高分子・プラスチックは、我々の身の回りの至る所で使われており、快適な生活には欠かせない物質となっている。これまでに数多く開発されてきた高分子の原料としては、石油が主に使われている。石油は枯渇が心配される貴重な資源であるために、最近石油に代わる物質を原料とする研究が進められているが、その実現までには多くの時間を必要としている。現在の便利な生活を維持していくには、限られた資源を無駄なく有効に利用する事も重要な課題である。
 当研究室では、これまでは余り活用されてこなかった物質を活用して高分子を合成する研究に取り組んでいる。その例を2つ紹介したい。
①原油から石油を精製する際の副産物として得られる硫黄は、一部が硫酸やゴム製品などの製造に利用されているが、まだまだ未利用な資源である。このような硫黄を利用して有効な高分子を合成する研究を行っている(写真参考)。なお、得られる高分子は、重金属と馴染みがある硫黄成分を含んでいることから重金属回収剤として利用が期待される。
②二酸化炭素CO2は、化石燃料を燃焼することにより大量に生み出され、地球温暖化の原因物質と考えられている。そのため、平成28年に採択された「パリ協定」ではCO2の排出削減・固定化が求められている。固定化の一環としてCO2を原料として利用する高分子の合成についても研究を進めている。