血液レオロジー:血液凝固と赤血球集合

赤血球の集合体(連銭)

 血液凝固はフィブリノゲンに酵素トロンビンが作用することにより、分子の一部が切断されトロンビンへと転移します。次に、フィブリンは半分子ごとに規則正しく重なり合い、プロトフィブリルと呼ばれる原線維を作り、これらが束になりゲルネットワークを形成します。血液凝固のメカニズムについては、非常に古くか沢山の研究がなされていますが、現在でも不明な点が多く残されています。血液凝固のメカニズムの解明は新規抗凝固剤や血栓溶解剤の創薬に役立つと考えています。
 赤血球は両凹型の円盤形をしており、血漿中に静置すると、図に示す様なコインを積み重ねたような「連銭」と呼ばれる集合体を作ります。この状態はヒトや他の多くの動物(なぜかウシは例外)の正常な血液で見られるもので、必ずしもドロドロ血液ではありませんが、極端に大きな集合体が形成されると、やはり血液の流れに影響が出てきます。集合体形成のメカニズムについては、赤血球間をフィブリノゲン分子が架橋する「架橋集合」、赤血球間よりフィブリノゲン分子が排除されることによる「枯渇集合」が提唱されており、未だ解決されていません。当研究室では水晶振動子マイクロバランス法などを用いてメカニズムの解明を目指しています。


  • Y. Toyama et al., Collids Surf. B: Biointerfaces, 140, 189 (2016).
  • Y. Toyama et al., MRS-J, 36, 393 (2011).
  • 科学研究費補助金基盤研究(C)H27-29「赤血球集合機構の解明:架橋集合と枯渇集合二つの競合するメカニズム」

化学・生物化学科

准教授 外山 吉治
研究室URL : http://biorheo.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/