空気から有機化合物を作る

新規配位子を有する金属錯体の分子構造

 私たちは,プラスチックや医薬品,繊維,色素など様々な有機化合物を利用して生活しています。これらの有機化合物の多くは石油を原料にして合成されていますが,石油は限りある資源ですので,これらの化合物を永続的に供給するには,我々の周りに大量にある空気[窒素(N2),酸素(O2),二酸化炭素(CO2),水蒸気(H2O)などの混合物]などを原料として合成を行うことが望まれます。
 我々の研究室では,二酸化炭素や窒素,酸素を有用な物質に変換する反応において触媒として働くことができる新規金属錯体(金属に配位子と呼ばれる分子やイオンが結合したもの)の開発を目的として,新規配位子を有する金属錯体の合成・構造・二酸化炭素,窒素,酸素などとの反応性について研究を行っています。また,合成した新規金属錯体は,種々の有機合成反応の触媒となることが期待されますので,その触媒活性についても研究を行っています。
 これまでに我々は,当研究室で開発した新規配位子を用いて様々な金属錯体を合成し,その金属錯体の幾つかが,種々の有機合成反応の触媒となることを明らかにしています。現在,本来の目的である空気を有用な物質に変換する反応の触媒となる金属錯体の合成を目指して研究を続けています。


  • Activation of C–S Bond by Group 10 Metal Complexes: Reaction of Phosphine Ligand Tethered with Three tert-Butylthiophenyl Groups with Group 10 Metal Compounds, N. Takeda, Y. Tanaka, R. Oma, F. Sakakibara, and M. Unno, Bull. Chem. Soc. Jpn., 89, 922-930 (2016).
  • Synthesis and Complexation of a New Tripodal Tetradentate Ligand, a Silyl Ligand Tethered with Three Thioether Moieties, N. Takeda, D. Watanabe, T. Nakamura, and M. Unno, Organometallics, 29, 2839-2841 (2010).
  • Synthesis and Structure of Group 10 Metal Complexes with New Tripodal Tetradentate Ligand Bearing One Phosphine and Three Thioether Moieties, N. Takeda, Y. Tanaka, F. Sakakibara and M. Unno, Bull. Chem. Soc. Jpn., 83, 157-164 (2010).

化学・生物化学科

准教授 武田 亘弘
研究室URL : http://element.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/~takeda/index.html