細菌のべん毛の構造と機能

様々な形のべん毛繊維

べん毛モーターの模式図

 大学で行われている研究には、基礎研究と応用研究があります。私たちの研究室で進めている、「細菌のべん毛の構造と機能」の研究は基礎研究で、すぐに何かに応用できるものではありません。しかし、何かを知ろうとするだけの研究も、多くを理解できるようになったときに、応用への道が開けるものだと思います。
 大腸菌などの腸内細菌は、私たちの生存に重要な役割を果たしていますが、生き物の一つとして、多くの機能をもっています。その一つに、べん毛と呼ばれる器官をもち、それらを回転させることによって、泳ぐことがあります。
 べん毛はタンパク質が集まってできたらせん形の繊維で、回転することでスクリューのような役割を果たします。タンパク質が形を変えることが知られていますが、多くの場合顕微鏡を通してもそれを見ることができません。しかし、べん毛は多くのタンパク質が集まっているので、光学顕微鏡で観察でき、形の変化をリアルタイムで見ることができます。この特長を活かし、私たちはタンパク質が形を変える仕組みを研究しています。
 もう一つ、べん毛は興味深い特徴をもちます。生き物の中で、回転する運動器官はべん毛だけです。この運動を研究することは、生き物の中ではたらく分子機械の仕組みを解明することにつながります。今は、突然変異によって異常な機能をもつようになったものを使い、その性質を明らかにすることで、仕組みを探っています。
 私たちの研究の特徴は、変異体を使う遺伝学とそれらを解析する生物物理学の融合で、従来にはない生物科学の研究を進めています。


  • ぜひ一度研究室のウェブページを見てください。

化学・生物化学科

教授 大澤 研二
研究室URL : http://seibutsu-butsuri.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/index.html