インターフェースが新機能を創出する

無機半導体と有機化合物間の界面電荷移動遷移の特徴と新たな応用展開。例としてチロシンの非破壊可視光検出を示す(右下)。

無機半導体をはじめとする無機材料と芳香族分子をはじめとする有機化合物はこれまで固体物理と化学という別々の学問分野で研究されてきました。そして、現在、無機材料と有機化合物の科学的理解は深まり、得られた知見は現代社会の様々な材料やデバイスに応用されています。一方で、無機材料と有機化合物間のインターフェース、つまり界面に関しては未だ詳しい研究がほとんどなされていないことから、新たな物理化学現象の発見や新規機能の発現が期待されます。我々は、無機半導体と有機化合物の電子状態を界面で結合・混成させることで界面電荷移動遷移という新しい電子遷移が発現することを発見し、この界面電荷移動遷移が太陽電池や生体関連物質の研究に新しい展開をもたらすことを示しました。(下図)現在、界面電荷移動遷移の特徴をいかして「生体関連物質の非破壊可視光検出」と「ポテンシャル損失が発生しない直接光キャリア注入太陽電池」の研究に取り組んでいます。


  • J. Fujisawa and M. Nagata, Efficient Light-to-Current Conversion by Organic–Inorganic Interfacial Charge-Transfer Transitions in TiO2 Chemically Adsorbed with 2-Anthroic Acid, Chem. Phys. Lett., 619, 180–184 (2015).
  • J. Fujisawa, S. Matsumura and M. Hanaya, A Single Ti-O-C Linkage Induces Interfacial Charge-Transfer Transitions between TiO2 and a π-Conjugated Molecule, Chem. Phys. Lett., 657, 172–176 (2016).
  • J. Fujisawa, N. Kikuchi and Minoru Hanaya, Coloration of Tyrosine by Organic-Semiconductor Interfacial Charge-Transfer Transitions, Chem. Phys. Lett., 664, 178–183 (2016).

化学・生物化学科

准教授 藤沢 潤一
研究室URL : http://bussei-kagaku.chem-bio.st.gunma-u.ac.jp/index_fujisawa.html