群馬大学理工学部

電子情報・数理教育プログラム博士前期課程2年の石川真也君が、日本オペレーションズ・リサーチ学会待ち行列部会研究奨励賞を受賞しました。

 理工学府電子情報・数理教育プログラム博士前期課程2年の石川真也君(河西研)が、2016年度の日本オペレーションズ・リサーチ学会待ち行列研究部会研究奨励賞を受賞した。待ち行列に関連するオペレーションズ・リサーチの研究を振興する目的で設立された同賞は、毎年度優れた論文を発表した若手研究者に贈られる。石川君の場合、2017年1月19日から21日に開催された2016年度待ち行列シンポジウム「確率モデルとその応用」で発表した論文が高く評価され、受賞に結びついた。

 受賞対象となった石川君の研究は、大規模な状態空間をもつマルコフ連鎖に関する内容である。マルコフ連鎖はマルコフ過程と呼ばれる確率過程の一種である。数学的な研究対象である一方で、ウェブ上の情報検索技術に応用されるなど、情報社会を支えている一面も併せ持つ。

 マルコフ連鎖の状態数が非常に多くなると、定常分布などの厳密な評価が実際上困難になる。この問題を解決するために、マルコフ連鎖の状態をいくつかのグループに縮約することで状態数を減らし、さらに厳密解ではなく確率順序の意味での上界を与えるアルゴリズムが研究されてきた。従来のアルゴリズムは過大な上界を与える欠点があったが、石川君はその原因を精緻な解析により明らかにし、より緊密な上界を算出するアルゴリズムを与えた。本研究は適用範囲の広い成果であり、情報技術のみならずマルコフ連鎖を用いる多方面への応用が期待される。