Mate2017シンポジウムにおいて、知能機械創製理工学教育プログラム博士前期課程2年の林佑美さんが、優秀ポスター賞を受賞しました。

 2017年1月31日~2月1日にパシフィコ横浜で開催されたMate2017シンポジウムにおいて、知能機械創製理工学教育プログラム博士前期課程2年(マルチスケール組織・界面制御学研究室)の林佑美さんが、優秀ポスター賞を受賞した。林さんの受賞ポスター名は「(001)および(111)配向銀めっき皮膜のセルフアニーリング過程における再結晶挙動」であり、自動車や電子機器まで広く利用されている銀めっき皮膜の室温における再結晶挙動を電子顕微鏡下でのその場観察に成功した内容である。
 銀めっき皮膜は、めっき後室温に放置することで、数時間あるいは数日中に再結晶が起こり、結晶方位が特定方向に配向するセルフアニーリング現象が起こることが知られている。配向する方位により出現する物性値が異なり、皮膜の耐久性、耐摩耗性、耐熱性などに影響を及ぼす。従来、X線回折を用いた再結晶前後の配向性調査は行われてきたが、個々の結晶粒の再結晶過程を観察した研究は皆無であった。受賞者らは、電解放出形走査電子顕微鏡を用いて、セルフアニーリング過程における個々の結晶粒の後方散乱電子回折パターンをその場観察することにより、再結晶核の生成および成長・配向挙動を捉えることに成功した。更に、皮膜の膜応力および電気抵抗測定より、皮膜中の格子欠陥タイプおよびその密度変化を推察して再結晶の駆動力およびメカニズムを考察した。本研究の成果は、銀めっき皮膜の配向性を制御するためのめっきまま状態をどのように作製すればよいかを示す成果となっており、学術的価値はもちろん実製品への展開も高く評価された。本研究の関連成果は、すでに国内外の学会発表6件(国内:3件、海外:3件)、欧文誌掲載2件の実績を積み重ねており、博士前期課程修了にあたり有終の美を飾るものとなった。