群馬大学理工学部

環境創生理工学教育領域博士後期課程1年の樋口敬芳君と、環境創生理工学科4年の吉田希生一君が、第46回土木学会関東支部技術研究発表会において優秀発表者賞を受賞しました。

 第46回土木学会関東支部技術研究発表会において、環境創生部門構造研究室(斎藤研究室)所属の樋口敬芳君と吉田希生一君が、優秀発表者賞を受賞した。

 樋口君の発表タイトルは「粒子法を用いた開水路における矩形ブロックの流出シミュレーション」であり、粒子法を用いて、剛体が底面から作用を受ける摩擦力を考慮した流体・剛体の連成モデルを構築したものである。
 堰や床止めなどの河川横断構造物は、河床低下が進行すると劣化・損傷が進行し、大きな洪水が流下すると護床工が一気に流出するなどの急激な破壊が危惧される。その破壊現象は、流況、河床、さらに護床ブロックが動的に相互作用し合うため、従来利用されてきた方法では対応が難しい点もある。Lagrange的な手法である粒子法は格子を必要としないため、河川横断構造物の段落ち部における局所洗掘現象や護床工の流出に追従した流況計算が可能となる利点がある。そこで樋口君は、指導教員の斎藤隆泰准教授と、共同研究者である清水義彦教授の指導の下、粒子法の利点に着目し、破壊現象が把握可能なモデル構築の一歩として、流況と剛体の連成モデルを構築した。流況は粒子法の1つであるE-MPS法、剛体は弱連成解析の手法を用いて、剛体が滑動時に底面から作用をうける摩擦力を考慮したモデルを構築した。構築したモデルを用いて、開水路のおける矩形ブロックの流出シミュレーションを行い、流量および摩擦係数を変えた矩形ブロックの流出過程の感度分析を行い、本モデルにより矩形ブロックの停止、滑動運動をシミュレーションできることを示した。
 今後は簡易水理模型を用いた矩形ブロックの挙動実験を行い、本モデルの妥当性検証を行う予定である。

 吉田君の発表タイトルは「3DCADデータを用いた粒子法シミュレーションの検討」であり、流体シミュレーション手法である粒子法において、複雑な形状をした構造物を、3DCADを用いて再現し、そのモデルを用いて数値シミュレーションを行ったものである。
 現在の流体解析分野では、差分法や有限要素法による数値シミュレーションが活発に行われている。これらは、汎用性が非常に高いものの、界面の大変形などに対して格子や要素の破綻が生じるなどの脆弱性を持つことが一般に知られている。そのような中、近年、粒子法と呼ばれる格子や要素を必要としない数値シミュレーション手法が注目を集めている。粒子法では、計算点である粒子群が移動することは連続体が実際に移動したことを意味する。そのため、シミュレーション対象の初期形状を作成する場合には、ユーザーが粒子を配置する必要がある。対象となる形状が単純な場合は、プログラムにより容易にその形状を再現できることが可能であろう。しかし、形状が複雑な場合は、初期形状を作成するプリプロセスの段階で、多大な時間を費やす必要がある。そこで吉田君は指導教員の斎藤隆泰准教授と、共同研究者である清水義彦教授の指導の下、3DCADにより作製したモデルをボクセルデータに分割することで、初期形状を作成する方法について検討した。また、複雑な形状モデルとして、消波ブロックモデルを対象とした場合の数値解析例を示し、本手法の有効性を検討した。
 今後は、ボクセルデータを用いた場合の詳細な精度検証を行う予定である。

左から樋口君、吉田君