群馬大学理工学部

分子科学部門の永井大介助教が平成30年度リサイクル技術開発本多賞を受賞しました。

 分子科学部門の永井助教が平成30年度リサイクル技術開発本多賞を受賞し、2018年10月11日に産業環境管理協会において授賞式と受賞講演が行われました。なお、本研究は、重点支援「Sメンブレン」プロジェクトの一環として行っているものです。
 白金・パラジウム・ロジウムなどのレアメタルは、ハイテク製品の製造に不可欠な金属であり高価格で取り引きされているが、世界的に埋蔵量が少ないため、これらを回収し再利用することは重要です。しかし、従来レアメタル吸着に検討されてきたポリマーは、金属水溶液に溶解しないため吸着反応が不均一系となり、「回収能力の低さ」が問題となっていました。
 永井助教は、金属吸着ユニットとしてチオカルボニル基と、水溶性ユニットとしてアミノ基を有するポリマーを合成し、簡便かつ高回収でのレアメタル捕集材料の開発を検討しました。その結果、ポリマーは金属イオン水溶液に溶解するため効率良く金属を吸着でき、吸着量増加に伴い金属を吸着したポリマーが沈殿するため、ろ過で簡便に分離できることを明らかにしました。例えばパラジウム回収の場合、ポリマー1gあたり0.508gのパラジウムを捕集できる極めて高い捕集能を有しています。これらの成果は、英国化学国際誌(Chemical Communications 2013, 49, 6852-6854)に発表されるとともに、その内容が認められ、今回の受賞に至りました。
 使用済み電子基板やハイブリッド車の廃棄バッテリーなどの「都市鉱山」からのレアメタル回収への実用化が期待でき、資源循環型システムの開発に貢献できる材料と成り得ます。今後、重点支援「Sメンブレン」プロジェクトを通じて、学術面での進展のみならず、産業界への技術移転も進めていく予定です。

◆用語解説◆
レアメタル:ハイテク製品の原料として多量に使用されているが、地球上の埋蔵量が少なく、今後50年以内に枯渇する金属があると予想されている。
都市鉱山:ハイテク製品に使用されているレアメタルを再生可能な資源とみなし、それが廃棄されて集まる場所を都市の中の鉱山に見立てたもの。