群馬大学理工学部

環境創生理工学教育プログラム博士前期課程2年の大芦健太君が、日本非破壊検査協会主催の安全・安心な社会を築く先進材料・非破壊計測技術シンポジウムにおいて新進賞を受賞しました。

 日本非破壊検査協会安全・安心な社会を築く先進材料・非破壊計測技術シンポジウムにおいて、環境創生部門構造研究室(斎藤研究室)所属の大芦健太君が新進賞を受賞した。
 大芦君の発表タイトルは「レーザー超音波可視化試験を用いた擬似等方性積層板に対する弾性定数の推定とFDTD法による検証」であり、計測実験と数値シミュレーションの両結果から、擬似等方性と呼ばれる性質を示す炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の弾性定数を推定し、かつその妥当性を評価したものである。
CFRPは力学的に優れた特性を示すとして、近年注目を集めている材料である。任意の積層構造を持つため、音響異方性を示すことで知られる。音響異方性の影響で、CFRP中の欠陥を通常の超音波非破壊評価法で探傷した場合、探傷精度が大きく低下する可能性がある。このような音響異方性の性質を明らかにするためには、弾性定数を決定する必要がある。しかし、従来の異方性材料に対する弾性定数推定法は、試験体を切断したり、水に浸したりする等、比較的手間のかかる方法であった。そこで大芦君は、指導教員の指導の下、レーザー超音波を用いて弾性定数を効率よく求める新たな方法を開発した。その有効性を示すために、擬似等方性積層CFRP板に対しての弾性定数の推定を行った。また、推定した弾性定数を用いて、FDTD法による数値シミュレーションを実行し、その結果をレーザー超音波可視化試験結果と比較することで、推定結果の妥当性を示した。
今後は、数値シミュレーションを3次元に拡張し、推定する弾性定数の高精度化を目指すことを行う。また、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)やその他の積層角を有したCFRPに対しての弾性定数の推定も行う予定である。