群馬大学理工学部

環境創生理工学領域博士後期課程3年の佐竹亮一郎君と、環境創生理工学教育プログラム博士前期過程1年の堀匡佑君が、第52回地盤工学研究発表会にて優秀論文発表者賞を受賞しました。

 2017年7月12日から14日まで名古屋国際会議場にて開催された第52回地盤工学研究発表会において、地盤工学研究室の佐竹 亮一郎君と堀匡佑君が、優秀論文発表者賞を受賞した。

 佐竹君の論文題目は「FEMを用いた信頼性解析とそれによる斜面安全率の評価」、共著者は理工学府環境創生部門の若井明彦教授である。
斜面を有する構造物の安全性を評価する上でしばしば用いられる全体安全率(Fs)について、「材料物性の空間的な不確実性」がFsの不確実性に与える影響を、有限要素法(FEM)による数値解析と乱数解析手法のひとつであるモンテカルロ・シミュレーション(MCS)により評価した。Fsの不確実性は材料物性の不確実性の増大に伴い増加傾向を示すことを示した。また、従来の設計法を模擬し、材料物性が空間的に均質を仮定した解析を実施し、MCSから得られたFsの確率分布と比較した。材料物性に均質を仮定した場合,その解析値はMCSから得られたFs)の確率分布の期待値を常に上回り、安全率を過大評価する可能性が高いことを示した。この結果が得られた原因として、斜面の安定性は地盤内の軟弱な部分の存在に大きく左右されるという点に着目し、材料の不確実性の増加により力学的弱部の軟弱さがより強調されるためという考察がなされた。
斜面の信頼性評価の上で材料物性の不確実性のもたらす影響を定性的に示したことが評価され、受賞につながった。

 堀君の論文題目は「火山由来斜面における豪雨を想定した斜面崩壊実験の降雨浸透解析」、共著者は深津ひろみさん(JR東日本コンサルタンツ)、若井明彦教授、蔡飛准教授(群馬大学)、酒井直樹氏(防災科学技術研究所)、後藤聡先生、若林巧さん(山梨大学)である。
近年日本では、台風やゲリラ豪雨などに代表されるような大雨による斜面崩壊が多発している。特に世界有数の火山大国である日本には火山由来の斜面が多く存在しており、このような斜面の降雨時の表層崩壊のメカニズムを検討することは非常に重要である。そこで本研究では、FEMに基づく二次元飽和-不飽和浸透流解析を用いて、独立行政法人 防災科学技術にて行われた火山由来斜面における豪雨を想定した斜面崩壊実験の再現解析を行った。
同実験で得られた地下水位上昇の結果をおおむね十分に再現することが出来た。地下水位上昇に関して同解析の有効性が確認でき、今後の斜面崩壊の予測に結びつける一助となることが期待される。そのような点が評価され、受賞につながったと考えられる。