群馬大学理工学部

第23回燃料電池シンポジウムにおいて、環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年 齋藤仁君が、優秀ポスター賞(学生賞)を受賞

 2016年5月26日から27日までタワーホール船堀で開催された第23回燃料電池シンポジウムにおいて,環境創生理工学教育プログラム博士前期課程1年の齋藤仁君が優秀ポスター賞(学生賞)を受賞した。発表題目は「蒸気供給DMFCにおける物質移動影響因子」で,中川教授,石飛助教との共著である。本賞は優れたポスター発表を行なった学生に対して与えられる賞である。17件の学生講演の中から,齋藤君を含む3名の学生が選出された。
メタノールは体積エネルギー密度が4。8 kWh/Lと高く,メタノールを直接使う燃料電池は次世代の小型電源として期待されている。しかし,メタノールが電解質膜(イオンを通す役割の部材)を透過(クロスオーバー)することにより,空気極で酸化反応と還元反応が同時に起こり,電池出力が低下する問題があった。
 中川教授らのグループは特殊なプレート(炭素多孔質体)を電池に組み込むことにより,メタノールを蒸気供給させ,クロスオーバーの量を減らすことに成功した。燃料電池の内部ではメタノールや水,酸素などの物質が複雑に関係しながら移動・反応している。そこで,齋藤君らは空気極側の部材に撥水処理を施すことにより,電解質膜の含水率(湿っている度合い)を変化させた。その結果,撥水性処理を強く施した部材を使った電池については,空気の加湿度合いが低い条件でも比較的に高い電池出力を示した。齋藤君らは,電解質膜が乾燥したために物質が移動する通り道が小さくなり,メタノールの透過量が減ったために,電池出力が比較的に高くなったと考えている。
また,群大理工学府(工学部)の伝統である積極性・責任感・創造力を身につけた齋藤君の発表態度も評価されたものと推察する。

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