群馬大学理工学部

化学工学会第81年会において、環境創生理工学教育プログラムの塚越陽介君が学生賞(優秀学生賞)を受賞

 2016年3月13日から15日まで関西大学で開催された化学工学会第81年会において,環境創生理工学教育プログラム博士前期課程2年の塚越陽介君が学生賞(優秀学生賞)を受賞した。発表題目は「新規ナノファイバー触媒を適用した直接メタノール燃料電池の発電特性」で,中川教授,石飛助教との共著である。本賞は優れたポスター発表を行なった学生に対して与えられる賞である。優秀学生賞については対象者の上位10%以内に与えられる。
 メタノールは体積エネルギー密度が4.8 kWh/Lと高く,メタノールを直接使う燃料電池は次世代の小型電源として期待されている。これまでに白金ルテニウムがメタノール用の触媒として提案されているが,更なる触媒の性能(触媒活性)の向上が必要である。
近年,中川教授らのグループはメタノールから電子を取り出す反応の触媒として,酸化チタンを埋め込んだカーボンナノファイバーに白金ルテニウムを担持させた「複合触媒」を提案し,触媒活性が従来の触媒よりも高いことを示した。塚越君らは,実用化のためには,「複合触媒」を燃料電池に実装したときの電池出力が重要だと考えている。特に,複合触媒の「白金ルテニウム割合」を変えることにより,同じ白金ルテニウムの使用量でも「触媒層」の厚さ・特性が変わり,電池出力に影響すると考えている。
 そこで,塚越君らは白金ルテニウムの使用量をそろえつつ,複合触媒の白金ルテニウム割合を変えた場合の電池出力を調べて,最適な割合を明らかにした。また,最適な割合が現れる理由について,有効に使われる「白金ルテニウムの表面の量」と「触媒層中のメタノールの通りやすさ」の観点から説明できることを示した。
 また,評価には発表者の主体性も含まれており,群大理工学部(工学部)の伝統である積極性・責任感・創造力を身につけた塚越君の発表態度も評価されたものと推察する。

文責 環境創生部門 石飛 宏和
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